続・武蔵野の情景
2005年 07月 31日
「早春武蔵野」 F60号 悳 俊彦(T.ISAO)
武蔵野といえば関東きっての台地で、多摩川流域にあって、古代原生林の名残りをいまにとどめる稀少の景勝地でもある。樹齢数百年の欅や樫の大木が静かに暮れる平野に高くそびえる風景は、文字通り天然の“絵画美”として特に小説家・詩人・芸術家たちの目を楽しませ、多くの秀れた作品の題材として重宝がられたようだ。そこには日本独特の静寂の中に秘められた“わび・さび”の情趣が実存している。この素晴らしい好題材も高度経済成長により新しい社会づくりを理想と考える人たちの手によってその姿は無残に破壊され・・・・・・・・・・・・(略)
悳 俊彦(いさお・としひこ)が「武蔵野の四季」を描き続けるようになった動機は、一人の画家としての現代社会に対する義憤から発したものである。(悳 俊彦画集、評・中井慎吾)
手に入れたい作品のひとつだが60号という大作で号評価からすればとても叶わぬ夢である。
郷愁感がさらに募り、この作品がどこにあるのか一目会ってみたい。