平野政吉コレクションが残したもの

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東京国立近代美術館「生誕120年藤田嗣治展」には連日多くの入場者が訪れている。なんといっても世界レベルの日本人画家の作品が100点も展示されることはこの先ないかもしれないからだ。

私は初日に観覧し当然感動ものだったが作品のおよそ4分の1の所蔵が「平野政吉コレクション」または「(財)平野政吉美術館」だったことに違和感を覚えた。
藤田ほどの作品が特定の一個人の手にあったとは。

それから数日、平野政吉なる人物を調べる。完全に私の勉強不足だった。
昭和11年秋田の富豪・平野政吉の招きで藤田は秋田を訪れている。二人は実はその7年前の昭和4年に東京の展覧会で顔を合わせている。それ以来、平野は藤田作品の熱心な収集家になった。そして大作12点を買い上げたのをはじめ、秋田の四季を描く大壁画の製作を依頼、挙句は美術館まで造ってしまった。

すでにフランスで評価されていたあとのこと、藤田をこれだけ支援した人間は平野政吉ただひとりだ。
藤田にとって画家という職業を考えれば平野は大恩人である。
平野は美術館を「藤田美術館」と称する計画で、フランスに住む藤田を訪ねている。
しかし最終的に「平野政吉美術館」となった。生涯の友誼を結んだはずなのに藤田はその美術館を訪れていない。ふたりの間にいったい何があったのか。

昭和43年に藤田が平成元年に平野がこの世を去る。藤田と平野の互いの思いは、最近さまざまな文献で明らかになってきたが
藤田が描いた作品を平野が収集し、その作品群はまぎれもなく「生誕120年藤田嗣治展」を見事に飾っている。

最終的に何らかの確執があったにせよ後世は結果としての世界的遺品を評価している。


パリを魅了した異邦人 藤田嗣治
http://ficskokoro.blogzine.jp/nog/2006/03/post_bbe9.html
エコールドパリ 藤田嗣治
http://ficskokoro.blogzine.jp/nog/2006/03/post.html

Commented by at 2006-04-21 07:47 x
自由なランナーさん、コメントありがとうございます。平野政吉美術館の収蔵品は素晴らしいとの評判です。私もぜひ行ってみたい一館です。仙台では宮城美術館も素晴らしいですね。(トムノグ)

貴ブログへのTBを操作ミスで2重投稿してしまいました。申し訳ありません。
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PING:
 やられました、レオナール・フジタに。すごいです、フジタの世界。   きのう、休

Commented by アートバン at 2006-04-21 09:11 x
平野政吉の貢献は多大なものです。
秋田の美術館へ行ってみたくなりました。

Commented by at 2006-04-21 09:28 x
アートバンさん、おはようございます。
平野政吉のような支援者がいたからこそ今回のような展覧会ができたといっても過言ではないと思います。ただ収集家というものは作者に対する思い入れが時には作者自身に伝わらず誤解をまねくこともあるようですね。(トムノグ)

Commented by 自由なランナー at 2006-04-21 11:44 x
平野政吉と藤田の間でなにがあったのか、他人は推察するしかないのですが、ともあれ秋田にある美術館は仙台にいる間に、ぜひ訪問したいと思います。

by kokoro-tomnog2005 | 2006-04-20 23:14 | アートな日々 | Comments(4)

日々のことをお気軽に綴っています。(トムノグ)
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