こんな父親がいたのか!

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昨晩放映のフジTVドキュメント「泣きながら生きて」は、あらためて考えさせられることの多い内容でした。



日本で生きる中国人のさまざまな生態を紹介してきた同ドキュメントは、「小さな留学生」等と題して何回かにわたり放映されてきました。その都度、日中両国の問題に心を痛めたり、人として生きる姿の共通性を思ったり、すれてしまった日本人の一人として恥というものも感じました。



昨晩はその最終シリーズと予告されていましたので事前に承知し、細君とふたりで観ました。



中国文化大革命・下放政策の犠牲者、丁尚彪(てい・しょうひょう)さんは52歳、私と同年でした。
上海に奥さんと娘さんを残して日本に来たのが35歳の時です。
下放政策で満足な教育が受けられなかった丁さんは、本国では職も無く将来がないと日本語留学生として日本にやってきたのでした。
そのための資金40数万円は親戚、知人から借金をして。
しかし日本語学校は北海道の山奥でした。仕事をしながら収入を得て勉強しなければならない身としてはあまりにも劣悪な環境でした。仕事がありません。
やむ得ず、そこから脱出するしかなかったのです。
以後、不法残留となりながらも15年間、複数の仕事をかけもちし朝から晩まで働き、ひたすら家族へ送金しました。その甲斐あって娘さんは米国留学が実現し医者になることができました。



丁さんは、自分が得られなかった教育の機会を娘に託したのでした。
そして託された娘がこれまた見事でした。「両親の苦労は全て私のためにしてくれていること、私はその恩に報いるため、医者になって後世の命を守りたい」と産婦人科医を目指したのです。
丁さん家族のこの道のりは、長く険しいものでした。何度も何度も涙して得られたものだったのです。



こんな話しが今の日本にありますか?
恥ずかしながらありません。
私が丁さんの立場で丁さんと同じようなことが出来るかと言われたら下を向いてしまうでしょう。
命を削るような貧乏・節約生活をして娘の夢を実現させたこの父親はおそらく中国でも稀な人ではないかと思います。
しかしそれだけに終わらない丁さんの立派なところは過酷な運命に愚痴をもらさず、
日本経済の発展は国民皆が努力しているからであって中国人は日本人をお手本にすべきだと話し、
帰国の際、飛行機の中で娘の夢が実現する機会を与えてくれた日本に感謝するとして手を合わせて顔を震わせ涙していたのです。
大抵の人なら日本語学校に騙されと恨み、日本での仕事のきつさに根をあげ、日本での極貧生活に負け、潰れてしまうのです。
丁さんは日本での生活に感謝したというのですから感服するしかありません。



国民総中流意識のもと漫然と生きてきた私たちは、丁さんの生き方を通して忘れていた家族の絆と高い志し、
人を恨まない心など大切なものに気づかなければいけません。



そして「こんなすごい父親に少しでも近づけるよう心あらたにしないと」と強く思いました。
丁さん、ありがとう!
(丁さん、あなたに出会っていれば、あなたが日本を去る時、長年の労をねぎらい日本酒を振る舞いたかった。)


別館ブログ「トムノグおじさんの飲食日記」
http://ficskokoro.blogzine.jp/2nog/


Commented by see-go at 2006-11-04 16:14 x
お久しぶりです。見ました。
家族のためにあそこまでやるといのは並大抵ではありません。安泰ボケしている日本人には無理でしょう。トムノグさんが言われるように何かを考える良いきっかけになりました。

Commented by トムノグ at 2006-11-04 16:38 x
しゅうさん、コメントどうもありがとうございます。
私も自分の人生を振り返ることができました。
日頃の惰性に恥じることもでき、あらたな視点を感じました。しゅうさんは日本酒、旬の食べ物に感心が深いご様子ですが、当方の別館ブログ「飲んで食べて有頂天そして」にもぜひコメントなどお寄せいただけると幸甚です。

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PING:
  昨夜は泣きましたぁ。((泣)) 強い絆を持った中国の家族のドキュメンタリー。

Commented by ゾウ at 2006-11-04 16:50 x
当ブログへのTB有難う御座いました。
”泣きながら生きて・最終章”は予告されていたんですね。僕は偶然この時間帯に金曜プレステージのオープニングを目にして、そのまま引き込まれました。
きっとこの番組を見た多くの方がご自身の立場で色々考えさせられたと思いますが、僕も僕なりに考えさせられ、得るものさえありました。
フォークリフトのメンテナンスをする主人公の姿などは、日本人よりも日本人的な気質が垣間見えて、より身近なテーマだなぁと実感しました。
本当に良い番組でしたね。

Commented by hasan at 2006-11-04 18:41 x
今晩は 初めましてですね よろしくm(._.)m コメント有り難うございました。
偶然に私も番組観まして感動の連続でした感動を 通り越して絶句と言った方が良いかなそれで 思わずブログに書いてしまいました。



Commented by しゅう at 2006-11-05 00:17 x
ブログを始めて一週間です。
TB、コメントありがとうございました。
自分の人生を振り返らせた番組でした。
今後ともよろしくお願いします・

Commented by ゾウ at 2006-11-05 03:33 x
済みません。f(^_^;)
自分のブログで文章更新中に、再びTBアドレスを
送信してしまいました。(汗;
お許しください...。

Commented by トムノグ at 2006-11-05 11:17 x
see-goさん、コメントどうもありがとうございます。
あれほどまでの家族の絆は、今の日本では考えられませんね。私たちは表面上の豊かさとの交換で失ったものが多いということでしょうか。



Commented by トムノグ at 2006-11-05 11:18 x
ゾウさん、コメントどうもありがとうございます。
それぞれの立場で感じることは大切なことなのだと思います。手を抜かない仕事振りの丁さんは、心底娘さんのために働いているという感じでした。
TBの件OKです。私もたびたびやりますがお互い様です。気にしないで下さい。


Commented by トムノグ at 2006-11-05 11:22 x
hasanさん、コメントどうもありがとうございます。
そうですね。感動を超えていました。
人の心を動かすとは、丁さんのような生き方をいうのでしょうか。私もhasanさん同様、思わずブログに書いてしまいました。


by kokoro-tomnog2005 | 2006-11-04 12:26 | 人の生き方 | Comments(9)

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