作品が世に出るまでの経緯
2017年 08月 21日
作品の制作経緯が不明でしたが、関連資料を調べていたら2009年(平成21年)9月に姫路市立美術館で開催された和田三造展の図録に解説が掲載されていたことが判りました。
<原文のまま>
この作品は恐らく1950年代に作成されて行方不明になっていた原画を三造没後の1973年に友人の川勝堅一が「麦酒妃 ばくしゅひ」と命名し、京都版画院の品川清臣が版画化した。
岩田藤七、楢崎宗重、木村東介、小林桂子ら三造と交遊した人々の協力もあり、「昭和職業絵尽」「続昭和職業絵尽」連作など三造作品を多数版画化していた品川が、三造が生前に大事にしていた彫師、摺師を使って発刊した。
*川勝堅一:高島屋の常務取締役、在職中に工芸デザインの育成に尽力。 岩田藤七:ガラス工芸家、文化功労者。
楢崎宗重:美術史家、立正大名誉教授。 木村東介:美術商、羽黒洞・不忍画廊経営。 小林桂子:織物作家?
作品の制作経緯から、原画があって版画100枚が世に出たことが判りました。
そのうちの2枚が姫路市立美術館、そして私のコレクションであること。
他は上記の関係者や愛好家の手元に渡ったと思いますが、48年経過し何枚残っているか興味あるところです。
いずれにしても希少性の高い作品であることは間違いありません。
さらに調べを進めます。