今井ロヂンという画家
2019年 04月 25日
1941年、藤田嗣治に師事
戦争画を描いたことで国内美術界から大パッシングを受けた藤田を1948年頃から物心両面において支えたのが今井ロヂンだ。
1949年3月に日本の地に永遠の別れを告げた藤田の傷心は相当なものであったが、並々ならぬ今井の支えがあったからこそフランスに渡った後、藤田は再起できたと考える。
そんな今井は、練馬アトリエ村で画家としての生涯を過ごす。1955年、ジャパンタイムズの記者、エリセ・グリリ女史に賞賛され一躍高い評価を得ることに。その後の活躍は記すまでもないがフォトの静物画、藤田の影響を筆致に感じる見事な作品の数々を残した。
今井の功績は多くの文献に記されたが、藤田との関係については明確な資料が見当たらない。
今井にとっての藤田は人生のすべてであり、藤田にとっての今井は弟子でありながら最大の恩人であった。