川瀬巴水・川越展に行く
2014年 08月 24日
川瀬巴水については新版画の大スターであり284点もの作品が一堂に集まる展覧会は今回のシリーズが最後になるかもしれない。下絵の水彩や画帖など希少な資料もみることができ勉強になった。
しかしこの川越展は作品を鑑賞するだけではなく版画作品が出来上がるまでの実演があり、こちらも貴重な機会で楽しみにしていた。
解説:渡邊章一郎さん(なんでも鑑定団、渡邊木版美術画舗代表)
実演:渡辺英次さん(渡邊木版美術画舗摺師)
渡邊さんの詳細な解説は素人にもわかりやすく巴水のエピソードも交え楽しくしていただきました。木版ビジネスの第一人者だけのことはあります。
摺師さんの手さばきが見事で緻密な作業に驚きました。時折、実務的な説明を自身がしてくれ木版の職人世界へ導びかれました。
2時間はあっという間でした。
普段は1作品100枚ほど摺るということですが、本日の講演ではフォトの「馬込の月」を4枚摺りました。1枚あたり6枚の版木を使って摺っていく作業はとても大変です。
素人には想像を絶するほどの細かい工程で100枚摺る場合は1か月くらいかかると言われていました。
摺り15枚目くらいから出来も良くなるとのお話し参考になりました。
浮世絵版画のあとの新版画の時代作品もとても魅力のあるもので巴水にとどまらず多くの作家の作品を探し求めたいと感じました。
とても良い企画展で充実した土曜日が過ごせました。
帰りは鳩山で久しぶりの蕎麦をいただきました。