画家・松下紀久雄を顕彰する
2018年 05月 09日
醤油造り図が別にあった。画集に掲載されている上図は、先に私が収集したものと違う。
全体の構成は同じだが人物や樽などが微妙に違う。
落款もわずかな違いが見える。
かといって私が所有する作品が贋作ということではない。
共シールや額装は、むかし絵美術館に展示のものと同じだ。
画集によれば作品名が同じで構図が違うものはいくつもある。
確証を得るため、川越の松下紀久雄むかし絵美術館に出かける準備をするため笛木醤油店に電話をした。
信じられない言葉が返ってきた。
最近、閉鎖したという。
作品もすでにないというではないか。
顕彰の道も閉ざされてしまうのか。
ショックで言葉もでない。
しかし松下の著書や画集数冊を丹念に読んでいくと手がかりもつかめてきた。
文献は、1990年代でその記録は終わっているが相当あった作品すべてが消えてしまうはずがない。
遡ること1987年、奥多摩に初期のむかし絵美術館を開館、アトリエも別にあった。
近辺の菓子店や酒店などに各々の所有作品が現存することも判明した。
奥多摩は、仕事の関係で定期的に訪れるので馴染みがある。
顕彰のヒントは、奥多摩の地にあることはまちがいない。
かすかな光りと共に松下紀久雄の功績が見えてきた。
この作家の功績を絶対消してはいけない。
私の執念の顕彰作業が始まった。
続く