相原求一朗展へ
2019年 02月 13日
前期(第1部)も圧倒されましたが、後期(第2部)は晩年の作品が多数あって画家の奥底をさらに垣間見れました。
戦時中、満州へ派兵されていた相原は極寒の地で厳しい体験を重ねてきたという。
満州風景は広大で荒涼、その原風景は相原の脳裏に一生張り付き、帰還後に北海道の地に原風景を重ね合わせる。
1960年代から描いた北の大地は稀にみる大作品群となるのであった。
展示されていなかったが私の気に入った作品。
晩年の作品は日本画を思わせる筆致で優しい。
同行した美術愛好家U氏曰く「この画家は、風景に対峙することなく、その風景に入りこんでいる」と。
なかなか作品を観越した言だ。
そんな点にも魅かれるのかもしれない。
相原はデッサン力あり、精緻で色合いのセンスが抜群だ。
子供の頃よりその才を発揮していたようだ。
「醸造会社と田園の風景」 29.6×19cm
天賦の才としか言い様がない。
相原はその人格も生き様も立派だったようだ。
我が生き方の粗さに眼から鱗の観賞日であった。