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来る者には平和を、去る者には無事を

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「シュピタールの塔」 水彩 27×20cm 制作:2012年 中島勝彦(版画家・埼玉県在)

ドイツ・ローテンブルク
シュピタール門の一番外側のアーチ部分にはラテン語で次の言葉が刻まれている。
「Pax intrantibus, Sal us exeuntibus」(来る者には平和を、去る者には無事を)
しかしこれは額面どおりの言葉ではなく、戦いの連続の中世の時代のものなので反語で
「来る者とは戦争を、去る者には不運を」という意味だと言われている。

しかし現在は、旅行者に対して「来る者には平和を、去る者には無事を」という真の気持ちで
捉えているとのことです。

このお話しは、この絵の作者・中島勝彦さんからお聞きしました。
「シュピタールの塔」作者の思いが穏やかに描かれています。



<作家寄稿文 2020.5.31>
この作品の門をくぐって向こう側に出たところのさらにの向こうにゲートがあります。
そこに碑文があります。 作品の門をくぐってみるとこの塔の上部が見えます。
位置関係は当時現地でスケッチしたものでわかります。このスケッチの左下に碑文の文字を描いています。
PAX INTRAN TIBVSSALVS EXEVN TIBVSPAXは平和・安らぎ 
INTRANは来る TIBVSは者・人SALVSは幸せ・安全 
EXEVNは去る TIBVSは者・人
碑文はこのゲート上部曲面にあって真下から見上げないといけません。
なぜこんなに見ずらいところに、しかも隠すように小さな碑文なのですです。
呪いのような・・・・。(写真を撮って碑文を張っています。湾曲しています)
外からローテンブルク城内にいるにはこのゲートをくぐりさらに30メートルくらい歩いて要塞の門を通って中心部に向かうことになります。
このバスタイ要塞の版画ドライポイント技法を貼ります。シュタールの塔が見えます。

以下は同人誌に投稿したもの。  
2006年「ラインの調べとロマンチックドイツ」10日間の旅に出ました。
5月26日成田発NH201便、ロンドン・ヒースローで乗換フランクフルト20時25分着。
2日目はリューデスハイムから乗船するライン川下り。
3日目は医師であり博物学者のフィリップ・フランツ・フォン・シーボルト生誕の地ビュルツブルグを訪れました。
4日目はローテンブルク。中世の城塞都市の街並みが残るロマンチック街道最大の町です。
町の西にはタウバー川が深い渓谷をつくっています。
ローテンブルクはローテンブルク・オブ・デル・タウバーRothenburg ob der Tauberといいます。町の名前の由来はこの渓谷から見上げると赤い城塞が見えることから「タウバー川の上の赤い城」となったという。
5日目、ディンケンスビュール。6日目、ホーエンシュバンガウへ。
素晴らしい白鳥城、ノイシュバンシュタイン城に入場。7日目、ハイデルベルクへ移動。
8日目、ハイデルベルク観光。学生牢跡など見学。9日目、フランクフルトへ移動。
フランクフルト発パリ経由で成田へ。この旅ではローテンブルクの中世の城と建物にすっかり魅了されました。加えて町なかの銅版画店とその隣のパン屋のコーヒーがことのほか美味かったことも忘れられません。 
帰国後、銅版画教室の講師へローテンブルクに行ったことを話しました。
講師曰く「君、あの言葉で有名なローテンブルク? 来たりし者に安らぎを、去りゆく者に幸せを・・・だな」。
早速ネットでその言葉「来たりし者・・・」を検索したらローテンブルクの南門に碑文があるという。
2013年5月再びドイツに行きました。前のコースとほとんど同じコースです。
ローテンブルクでは丸1日半の自由時間がありました。門や塔のスケッチを楽しみ、
銅版画屋さんの工房を訪ねて大きなプレス機でのデモを見せてもらいました。
あのパン屋のコーヒーも間違いなく美味でした。その後南門のシュピタールバスタイで碑文を探しましたが見つからず、あきらめ7,80メートル先の外門に向かいました。
門をくぐって振り向いて見上げた天井にそれはあったのです。そこに嵌め込められた小さな石に風化した文字があり、「PAX INTRAN TIBVS SALVSEXEVN TIBVS」と、2行のラテン語が読み取れました。

中島勝彦


by kokoro-tomnog2005 | 2020-05-29 21:08 | アートな日々 | Comments(0)

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